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「ふるさと納税」に伴う寄付金控除について

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個人のかたがふるさと納税(地方公共団体に寄附)をおこなった場合、2,000円を超える分は「一定の限度額」まで、所得税と個人住民税から控除を受けることが出来ます。

平成27年度の税制改正により個人住民税の特例控除額の上限が個人住民税所得割の2割(従前は1割)に引上げられました。

この結果、2,000円を超える全額が控除対象となる寄附金の限度額がアップしました。

ふるさと納税の寄附金控除

  • (1)所得税控除⇒(寄附金額-2,000円)を所得控除
    所得税の控除額=(寄附金額-2,000円)×所得税の税率(※補足1))
  • (2)個人住民税の基本控除
    住民税の基本控除額(⇒税額控除)=(寄附金額-2,000円)×10%
  • (3)個人住民税の特例控除(⇒税額控除)
    (1)及び(2)で控除しきれなかった寄附金額を、税額控除(住民税所得割額の20%が限度となります。)
    住民税の特例控除額=(寄附金額-2,000円)×(100%-10%-所得税の税率(※補足1))

※補足1 平成26年度から平成50年度(令和20年度)については、「復興特別所得税」を含んだ率となります。

控除のイメージ(下記の世帯で3万円の寄附をした場合)

  • 夫婦と子供(高校生)1人の世帯
  • 夫の給与収入(年間)が700万円、妻の収入なし
  • 所得税の税率:20%(課税所得は、配偶者控除及び扶養控除のみが所得控除の対象となることを前提)

寄附金額30,000円

  • 控除適用の下限額2,000円の場合
    • 所得税:所得控除による軽減(※補足3)
      • (3万円-2千円)×20%(※補足2)×1.021=5,718円(※補足1)
    • 個人住民税:税額控除(基本分)(※補足3)
      •  (3万円-2千円)×10%=2,800円
    • 個人住民税:税額控除(特例分)
      • (3万円‐2千円)×(100%-10%-20%(※補足2)×1.021)≒19,482円(※補足1)
  • 自己負担額2,000円の場合
    • 軽減額 28,000円
  • ※補足1 平成26年度から平成50年度については、所得税に加えて「復興特別所得税(所得税額の2.1%相当額)」が課税されますので、上記のようなイメージとなります。
    「所得税の控除」と「個人住民税の控除(特例分)」は、端数処理の関係で計算上、若干の差が生じます。 
  • ※補足2 所得税の税率であり、所得により5%から45%の間で変動します。
  • ※補足3 対象となる寄附金額は、所得税は総所得金額等の40%、個人住民税(基本分)は総所得金額等の30%がそれぞれ限度となります。

2,000円を超える全額が控除となる寄附金の上限額について

限度額を求めるための計算

個人住民税の特例控除額は、個人住民税所得割の20%が限度額となっていますので、「個人住民税特例控除額=個人住民税所得割×20%」のとき、2,000円を超える金額の全額を控除対象とできる限度となり、次の式が成り立ちます。

2,000円を超える全額が控除対象となる寄附金額(寄附金限度額)をX円とすると、
(X-2,000円)×(100%ー10%(※ア)ー所得税の税率(※イ)×1.021(※ウ)=個人住民税の所得割額×20%
したがって、
X=個人住民税所得割×20%+(100%-10%-所得税の税率×1.021)+2,000円となります。

  • (※ア)個人住民税の税率
  • (※イ)所得額により5%から45%
  • (※ウ)復興特別所得税に係る率 

課税所得額に応じた限度額の計算

寄附金限度額は、上記の計算のとおり所得税の税率と個人住民税所得割額によって決まります。

所得税の税率は、課税所得金額によって7段階に分かれており、次のとおり区分毎に計算することができます。
(実際の限度額とは若干の差が出ることがあります。あくまでも目安とお考え下さい。)

課税所得額に応じた限度額の計算表
所得税の課税所得額 所得税の税率 寄附金限度額(X)算出のための計算式
0円から195万円 5% X=個人住民税所得割額×23.558%+2千円
195万円から330万円 10% X=個人住民税所得割額×25.065%+2千円
330万円から695万円 20% X=個人住民税所得割額×28.743%+2千円
695万円から900万円 23% X=個人住民税所得割額×30.067%+2千円
900万円から1800万円 33% X=個人住民税所得割額×35.519%+2千円
1800万円から4000万円 40% X=個人住民税所得割額×40.683%+2千円
4000万円以上 45% X=個人住民税所得割額×45.397%+2千円
  • 注記1:ここでは、分かりやすく解説するため、上記表の階層を「所得税の課税所得額」と表示していますが、正確には、地方税法第314条の7第2項第1号に規定する「地方税法第314条の3第2項に規定する課税総所得金額から地方税法第314条の6第1号イに掲げる金額を控除した金額」となります。この金額は、個人住民税の課税総所得金額から人的控除差調整額(配偶者控除や扶養控除など一定要件を満たす人に対して適用される人的所得控除額は、個人住民税より所得税の方が大きく、その差額のことを指します。)を控除した金額のことで、正確には若干異なりますが、所得税の課税所得額に近い金額となります。
  • 注記2:申告分離課税のみの場合は、試算方法が異なりますのでお問い合わせください。

所得税の課税所得額

所得税の課税所得とは、「総所得金額」から「所得控除の合計額」を差し引いた額で、所得税の税率を乗じる所得金額です。

具体的には、確定申告書中の「課税される所得金額」欄の金額です。
また、給与所得者の場合は、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を差し引いた金額です。

個人住民税所得割額

寄附金控除額の計算の基礎となる「個人住民税所得割」とは、住民税(市・道民税)の課税所得に税率10%を乗じて算出した税額(総所得金額等に係る所得割と分離課税に係る所得割額の合計額)から「調整控除」額を控除した後の税額をいいます。
具体的には市から交付される「市民税・道民税課税明細書」に記載の市民税・道民税に係る「算出所得割額」(又は「給与所得等に係る市民税・道民税 特別徴収税額通知書」に記載の市民税・道民税に係る「税額控除前所得割額」)から調整控除を差し引いた額です。

調整控除については次のページでご確認ください。

住民税の税額控除

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