総合トップ暮らしの情報記事【シリーズ】基幹産業・観光を考える(第5回 富良野・美瑛広域観光の成り立ち)

【シリーズ】基幹産業・観光を考える(第5回 富良野・美瑛広域観光の成り立ち)

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第5回目は、「富良野・美瑛広域観光の成り立ち」についてお知らせします。

1970年代後半から80年代前半にかけて起こった次の3つの出来事が、富良野・美瑛地域の知名度を全国区レベルへ押し上げました。

  • ファーム富田(中富良野町)のラベンダー風景が国鉄(当時)のポスター写真に採用
  • テレビドラマ「北の国から」シリーズが1981年(昭和56年)から放映開始
  • 写真家前田真三が美瑛の丘を題材にした作品を発表

これ以降、富良野・美瑛地域は様々な媒体に取り上げられ、訪れる観光客も一気に増加することとなります。
一方、1987年(昭和62年)に国鉄の分割民営化により発足したJRは、国内各地の観光と連携を強め、ディスティネーションキャンペーンと称する国内観光プロモーションに力を入れ始めます。

そのキャンペーンの対象地として白羽の矢が立ったのが、その当時、全国から注目を集めていた富良野・美瑛地域。

「田園休暇」をキャッチコピーに地域観光の魅力を発信することとなり、平成の時代になってからも、来訪する観光客を順調に増やしていきました。
そのような中、JR北海道から「お客様から見て、自治体の枠は関係ない。

自治体の枠を超えて、同じイメージで富良野・美瑛の名前を売ってはどうか?」という提案を機に、富良野圏域の自治体が連携し観光を推進しようという機運が生まれ、1994年(平成6年)、「富良野・美瑛広域観光推進協議会」を発足。

その後は富良野市、美瑛町、上富良野町、中富良野町、南富良野町、占冠村の6市町村が連携し広域観光を推進しています。

広域観光の推進体制

富良野・美瑛広域観光推進協議会は、官民様々な団体で構成し(表1)、マーケティング(※補足1)やプロモーション(※補足2)事業を行っています。
昨年末には、構成団体の一般社団法人ふらの観光協会が、富良野美瑛地域の広域観光を担う「地域連携DMO(ディーエムオー、※補足3)」に登録されました。
今後、富良野・美瑛広域観光推進協議会と一般社団法人ふらの観光協会が車の両輪となって、広域観光を推進していきます。

<表1>
富良野・美瑛広域観光推進協議会の構成団体
(順不同)
  • 各自治体(6市町村)
  • 北海道上川総合振興局
  • 構成自治体内の観光協会
  • JR北海道、JR富良野駅、JR美瑛駅
  • 航空各社(日本航空、全日空、AIRDO)
  • 商船三井フェリー
  • NPO法人グリーンステージ
  • ふらの農業協同組合
  • 美瑛町農業協同組合
  • ※補足1 マーケティング:商品を効果的に販売するための市場調査や商品開発、販売等、一連の企業活動
  • ※補足2 プロモーション:消費者の購買意欲喚起や企業の営業取扱を促す活動
  • ※補足3 DMO:地域の観光施策の司令塔ともいうべき観光地経営組織

観光圏整備実施計画の認定

2008年(平成20年)に「国内外からの観光客が2泊3日以上の滞在型観光をできるような観光エリアの整備」「地域の幅広い関係者の連携のもと、戦略的かつ一体的な観光地域(=観光圏)づくり」を促進するため、観光圏整備法が施行されました。
富良野・美瑛地域は、広域連携し、滞在型観光を進めてきた実績を足がかりに、観光圏の指定に向け、2013年(平成25年)、富良野・美瑛地域を含む6地域の観光圏整備実施計画(表2)を国から認定され、さらに3年間で13地域の観光圏整備実施計画が認定されています。
観光圏整備実施計画の計画期間は2013(平成25)年度から2017(平成29)年度までの5年間で、その間は国の財政的な支援を受けながら、観光圏として観光ブランドの確立に取り組んできました。
このほど、現在、観光圏整備法の改正を検討していること理由に、ブランド観光圏の認定審査について、先送りとする方針が、国から伝えられました。

富良野・美瑛地域として、現在、2018(平成30)年度からの新たな観光圏整備計画の策定作業を進めており、引き続き広域観光を推進していきます。

(注意)最終段落の「このほど-」以降については、広報2月号掲載以降、国からブランド観光圏認定の先送り方針が伝えられたため、広報掲載時から内容を差し替えました。

<表2>
富良野・美瑛地域観光圏整備計画
(2013年から2017年)の骨子
  • めざすべき方向性
    1. 一人あたりの平均宿泊数を上げる
    2. 消費単価を上げる
    3. 総合満足度を向上させる
  • 課題解決に向けた6つの取り組む具体的方向
    1. 主たる滞在促進地区(富良野)を起点に「滞在プログラム(至福の旬感)」の充実
    2. 観光相談所機能の充実
    3. 二次交通の改善と多様化
    4. 人材の育成
    5. 田園×休暇を結びつけ、ライフスタイルの提案を発信しながらブランドの構築
    6. 至福の空間(空間整備)と住んでよしの地域づくり

実績写真1
写真1 市町村長が海外で観光PR

実績写真2
写真2 海外で富良野・美瑛観光をPR

実績写真3
写真3 JRノロッコ号の出発式

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