富良野市立麓郷中学校長 角 谷 幸 保
麓郷地区にある麓郷中学校です。麓郷地区は、富良野市東部の広陵地帯にあり、TVドラマ「北の国から」で広く知られる美しい景観の畑作地帯です。戸数約150戸、人口約550人のうち専業農家が約50戸あります。富良野市域の約70%が山林、約20%が田畑という恵まれた自然環境にありますが、中でも麓郷地区は天然林の大樹海(東大演習林)とともに開基91周年の歴史を刻んできました。校舎東方の大麓山のふもとに湧き出る清水ですべての生活用水をまかない、ダムからの灌漑用水も行き渡っています。東方に十勝岳連峰を、西方に芦別岳などの夕張山地を望めるこの広陵地帯は北海道で最も美しいところの一つであります。
本校は、昭和22年5月に開校しました。開校以来、各学年2学級で全校生徒約200名の時代が20年間ほど続きました。その後、国内産業の構造変化などに伴って減少し続け、100名を切った昭和46年度以降加速度的に減少し、昭和54年度からは約20年間30〜40名の範囲で推移しましたが、平成10年度以降30名を割っています。
平成24年度の生徒数は、1学年2名、2学年5名、3学年3名の合計10名です。残念なことに、2学級で校長1、教諭5名の学校になってしまいました。
生徒は全体的に明るく素直で、礼儀正しく、学習や運動はもとより様々な活動に意欲的に取り組み能力も高いと言えます。麓郷地区には、子どもたちがこのように健やかに成長できるすべての栄養素が揃っています。結束が固く十分機能している地域、子どもたちの心の支えとなり安息の場でもある家庭、東の十勝岳連峰と西の夕張山系に心を洗われながら周囲の森の恵みを受け、沃野で営まれる生業の数々、10名の人格・能力ともに豊かな教職員、平成元年に改築された校舎とそれに伴う充実した施設などです。麓郷地区はまさに「教育の里」ということができます。
生徒の信条は「学ぶ麓中、鍛える麓中」、教職員の信条は「学校は小さくとも でっかい教育を」です。クロスカントリ−スキ−では、過去に男女の継走が26年間連続して全道大会に出場し、男子が2回、女子が5回優勝しています。また、平成23度は22・21年度に引き続き全国大会に出場しました。23年度は女子2名、男子1名の合計3名が出場しました。全校生徒が10名と少ないですが、今年度も夏季は野球・クロスカントリースキー、冬季はクロスカントリ−スキ−の活動に取り組んでいきます。平成5年には北海道体力づくり優良学校の最優秀校に選ばれて北海道教育長より表彰され、平成7年には体力づくり優良校として財団法人日本学校体育研究連合会より表彰されました。また、全国学力学習状況調査では、常に全道・全国平均を上回った結果をだしています。
大麓山のふもとに麓郷地区があり、本校では全校生徒で昭和47年に「富良野大麓自然愛護少年団」を結成して40年間活動を続けており、麓郷街道クリーン作戦や富良野岳原始が原パトロ−ル登山などを地道に継続しています。平成2年には前田一歩園財団より「前田一歩園賞」を受賞しました。また、平成16年度には自然愛護少年団の長年の活動が評価され知事より感謝状を受賞すると同時に、クロスカントリースキーと自然愛護の実績に対して上川教育局より教育実践表彰を受けています。
以上、学校紹介をさせていただきましたが、今後とも絶大なる御支援・御協力を賜りますようお願い申し上げます。
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