広域連合発足に関する調査研究報告(5.今後の検討課題について)

2005年9月8日

《参   考》

5.今後の検討課題について

地方自治体を取り巻く情勢は、少子高齢社会の急速な進展、長引く経済の低迷、国と地方を通じた危機的な財政状況など大きく変動しており、自治体自ら行財政基盤や行政サービスのあり方を見直すことが必然であり、地域の自己決定・自己責任が問われている。

4月30日に示された第27次地方制度調査会中間報告によれば、「小規模な市町村においては地方自治法第1条の2第1項に規定する住民福祉の増進を図るという基本的役割を担うことは困難となる」として、現在の合併特例法の期限が切れる平成17年4月からは現行法のような財政支援措置をとらない新法を制定し、一定期間さらに自主的な合併を促すことや都道府県からの勧告・斡旋などの措置がとられることが謳われている。また、人口規模の要件については法律上示すべきという意見がある一方で、慎重な意見も存在し、最終報告に明示されるかどうかがポイントとなる。

総務省は6月11日、都道府県知事に対して「市町村合併の更なる推進のための今後の取組(指針)」として、都道府県が合併協議会の設置について市町村に勧告を行うことを積極的に検討するよう通知している。

高橋はるみ知事は、6月17日道市長会、道町村会と意見交換し「何も作業をせず、何も議論をせずに時を過ごして『合併しない』というのはよくない。市町村長が議論し、それを住民に積極的に情報公開することが重要」と語り、これまで以上に合併協議会などの議論の場を支援する考えを示している。

また、5月30日には前上川支庁長吉田洋一氏(現北海道総合企画部長)が「合併する・しないに関わらず合併協議会を設置し、そこで、合併ができるのか議論してもいいのではないか。合併をタブー視しないで積極的に議論をしていただきたい」と富良野地方総合開発連絡協議会総会で講演している。

道内では6月末時点で法定合併協議会は3地域13自治体、任意合併協議会は10地域47団体が任意合併協議会を設置している。

7月6日付北海道新聞道内首長アンケートでは「合併を積極的に検討する必要がある。一応検討する必要がある。」と回答した首長は95%いた。

一方、美瑛、東神楽、東川の3町は介護保険、国民健康保険、老人保健、福祉医療助成の各事業を広域で行う「大雪地区広域連合」設立について基本合意書に調印した。

国や道、そして道内の自治体のこうした動きにおいて、富良野圏域5市町村としても地域と住民の暮らしの将来がどうあるべきか「自治のかたち」を議論し、地域(住民)の自立(自律)は地域で解決する仕組みを論議する必要がある。

そのための本作業部会としては、以下に示す3点について今後の課題として検討する必要があるのではないかとの意見がありました。

① 地方制度調査会から報告された地域自治組織の富良野圏域5市町村のあり方

② 道町村会が提案した連合自治体制度の富良野圏域5市町村のあり方

③ 富良野圏域5市町村で早急に合併協議会を設置し、そのなかで「合併が地域の自律するための手段になりうるのか」についての検討






①【地方制度調査会から報告された地域自治組織における富良野圏域5市町村のあり方について検討する】

  合併に伴う住民の不安材料として

●役場が遠くなる
●議員が減少する
●住民の声が届きにくくなる
●合併前に行われていたきめ細やかなサービスがなくなる
●支所に意見を言っても解決しない
●中心部ばかり栄えて周辺部が寂れる
等が一般的にいわれている。

 こうした合併の障害となる懸念を解消するために、4月30日示された第27次地方制度調査会中間報告では、旧自治体ごとに地域自治組織を導入できる制度を新たに盛り込んだ。
地方制度調査会がこの地域自治組織の導入にあたり、本作業部会で視察した長野県南信州広域連合が提案した「地域自治政府」がモデルとなっている。

【設置単位】 ・原則として旧町村単位とする
        ただし、歴史的文化的背景や社会制度の歩み等により設置困難な地域は従来の自治会等の選択も可能
【権  限】 ・原則として、サービスの提供などの給付的事務、財産管理、地区計画などの市の事務の一部を行う
       ・意思決定機関として『地域委員会』を設置する
【機  関】 ・地域自治政府の事務局・・・・・支所職員が兼務
       ・地域委員会・・・・・・・・・・住民による直接選挙
【運営経費】 ・原則として、条例に基づく市からの財源配分とする
【効  果】 ・地域の特色を生かしたまちづくりの推進
       ・地域課題解決型の事業実施
       ・広大な面積の自治体運営
【概念図】

 平成17年4月以降も国から自主的な合併の促進が図られることが想定されるため、現段階から「地域自治組織」の富良野圏域型スタンダードについて検討する必要がある。




②【連合自治体制度の富良野圏域5市町村のあり方について検討する】

●連合自治体制度は、現在の市町村の自主性を保持しながら、市町村の広域連携によって行政サービスの充実と効率化を図るのが目的である。
●現在進められている平成17年3月までの市町村合併が自治体再編のハードランディングとすれば、連合自治体の拡充は「自治のかたち」について時間をかけて探るソフトランディングといえる。
●そこで、北海道大学法学部神原教授は、北海道において道州制への移行、支庁制度改革、市町村合併は「三位一体の改革」による「自治のかたち」づくりが必要であり、合併するしないは自由な選択として、市町村の広域連合、道と市町村の広域連合など多様な自治体間協力方式を下図のように「ソフトランディング」として素案を示している。
●富良野圏域においても、このような手法を検討することも選択肢の一つである。





③【富良野圏域5市町村において早急に合併協議会を設置し、そのなかで「合併が地域の自律するための手段になりうるのか」について検討する】

●合併問題について住民は、「合併した場合しない場合、自分たちの生活が具体的にどのようになるのか」という情報を求めている。
●合併しない場合の情報についてはそれぞれの自治体の責任において住民に示す必要がある。
●しかし、合併した場合の情報については関係市町村が合併協議会というテーブルにつかなければ示すことができない。
●合併協議会は「合併するための協議」ではなく、「合併した場合の具体的な判断材料を住民に示すための場」として位置づける必要がある。
●仮に合併協議もせずに合併をせず、合併した自治体と住民サービスに大きな差が生じた場合、住民から「なぜ、こうした状況が予測できたのに合併協議をしなかったのか」と後悔と不満の声が上がるかもしれない。
●将来を担う子供たちのために「不作為の不利益」を与えない説明責任が、今、地方自治体に課せられている。そのためにも「合併が地域の自律するための手段になるのかどうか」合併協議会を発足して論議する必要がある。
●合併協議会では、各担当部局ごとの事務事業の摺りあわせが行われるため、平成17年3月までに合併協議が整わなかった場合でも、事務事業の摺りあわせにより「一緒に行うことが可能」と判断される事務事業については、その後広域連合に移行することも可能と思われる。
●高橋北海道知事は「合併の可否を判断するため、北海道全域に合併協議会を設置し、住民を含めて議論してもらう必要がある」と発言している。道が示す下図のように、残されたわずかな時間のなかで、合併協議会を設置し徹底的な論議をすることも選択肢の一つである。

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